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インタビュー インタビュー
株式会社OCファーム 暖々の里

長野 隆介さん、長野 洋平さん

松山市出身。兄 隆介さんが代表取締役、弟 洋平さんが取締役として活躍中。隆介さんの愛称「玉ねぎ王子」は、ラジオ番組に投稿する際に自らが付けた名前だそう。洋平さんも「アスパラボーイ」として親しまれている。

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    教訓になったような失敗談はありますか?

  • 農業を始めたとき、玉ねぎの畑が3ha(ヘクタール)あり、北条のなかでも断トツで大きかったんです。そのことや売上高を知人に話すとたくさん褒めてもらえたので、「いっぱい玉ねぎをつくったら褒められるんや。もっと増やそう」と思ってどんどん拡大・投資をしました。当時は経営のことなんて全然分からず、決算書もしっかり読んでなかったので気付けば赤字になっていたんです。そんなときに、飲食店などを経営している株式会社マルブンの社長さんとたまたま出会いました。自分が陥っている状況や悩みを相談したところ、経営の勉強会に呼んでもらって。そこから2年間で、経営理念・経営方針・人材育成を学び、経営計画書をどうにかこうにかつくれるようになってからは、業績が回復し始めました。「自分で売りたいから会社にした」と言いながら、玉ねぎをつくることに重きを置きすぎて、そのほかの部分をないがしろにしていたのが僕の失敗です。勉強会の教えのもと、経営理念をつくったことで僕らの意識も変わり、曲がりなりにもいろいろ考え始めましたね。今ではしっかり黒字展開ができています。

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    現在の取組を教えてください

  • 約500名が加盟している「愛媛県青年農業者連絡協議会」の会長をしています。土地によって取り扱う品種や環境が異なるので技術の共有はできないのですが、友だちをつくったり、農作物の交換をしたり、経営について勉強したりしています。

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  • 松山市青年農業者連絡協議会にも加盟し、松山市の農家みんなで助け合っています。若い子が農業で起業するときには協議会に入ってもらって、農業に関する制度や情報共有などいろんな面をサポートをするようにしています。今はまだ、愛媛県や松山市の協議会でのなかで勉強会をどんどん開いて、個々がレベルアップをしていく段階。その先には「松山市みんなで農業を盛り上げよう」という想いがあります。

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    今後の展望を教えてください

  • チャレンジとして、土地や品目などの規模拡大は常に続けています。最終目標は「地元の土地を守ること」です。約十年後、一気に親世代がリタイアするときに、僕たちが全部その土地を引き受けられたらと思っています。だからこそ、受け継いでいく若い世代のためにも常に新しいことをやっていきたい。現状、若い人で新しく農業を始めたばかりだと、土地が少なくて収入に繋がっていない人も多い。そんな人のために新しいアイデアを出すこともあります。先日出したアイデアが“スーパー4回転”です。

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  • 新規農家が短いスパンで農作物をつくれるようにと考えました。レタス→レタス→キャベツ→お米の順で生産していくと、同じ畑でも一年中農作物がつくれるんです。

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  • といってもまだ試行段階で、僕も成功はしてないんですけどね(笑)。土地を拡大していくことはもちろん、こんな風に収入に繋がるような仕組みをどんどんつくっていけたらと思っています。

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  • 若手に世代交代したときに、松山市の農業がさらに進化するはずです。そのために僕たちも変わっていかねば。実は、農業と福祉が連携した取組も考えているんです。松山市の障がい者や高齢者が一年中働ける環境にするために、自分たちは何ができるのか。そこで思いついたのが玉ねぎの一次加工でした。松山市内で農業と福祉が連携した成功事例はまだ少ないので、僕たちがパイオニアになりたいです。

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  • 2020年7月からは外国人労働者を雇う予定です。松山市の農家で外国人の方を雇っているところってあまりないんじゃないでしょうか。僕たちにとっても新しい刺激となるはずです。

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  • 一番の想いは「地域の人に地産の農作物をどんどん食べてほしい」ということ。松山市内で食べられている学校給食の地産地消の玉ねぎのほとんどは、OCファームのものです。こうやって子どもたちに北条の野菜を届けられているのは誇りです。ゆくゆくはブランド化なども行っていきたい。そして、「農業生産者」ではなく「農業経営者」として松山市の農業を活性化できればと思います。

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取材を終えて

松山での今後の展望や経営に関する失敗談など、普段聞けないようなお話をたくさん聞くことができる貴重な機会となりました。なかでも、農業に対する熱い想いをお話する姿がとても輝いていたのが印象的でした! 取材にご協力いただいたOCファームさまに感謝申し上げます。

サマリー画像 サンキュー